2025年9月、ハレ管弦楽団副指揮者およびハレ・ユースオーケストラ音楽監督として、ユアン・シールズはマンチェスター・ジャパン・ウィークの一環として、桑原ゆう作曲《Falling Leaves, Moon Steps》のヨーロッパ初演を企画・指揮しました。この公演では、三味線奏者の本條秀慈郎氏、尺八奏者の長谷川将山氏を迎え、ハレ・ユースオーケストラとの共演が実現しました。
大阪生まれ、東京育ちのシールズにとって、このプログラミングは、自身のルーツと現在の活動拠点であるマンチェスターを結びつける機会でもありました。本作は能楽の伝統に着想を得ながら、日本の伝統楽器と西洋オーケストラの対話を生み出しており、ユース・オーケストラにとっても意欲的かつ重要な試みとなりました。
リハーサル期間中には作曲家・桑原ゆう氏が立ち会い、若い音楽家たちは作曲家本人と直接向き合いながら、作品の背景にある文化的文脈について学ぶ貴重な機会を得ました。楽曲は、シールズがこれまでブリッジウォーター・ホールでラフマニノフ作品と並べて取り上げてきた武満徹の系譜に連なる一方で、より明確に日本的な音響世界へと踏み込んでいます。
継続するクロスカルチュラルなプログラミング
今回の初演は、シールズがマンチェスターにおいて日本人および日系アメリカ人作曲家の作品を継続的に紹介してきた活動の延長線上にあります。近年の取り組みには、ハレ管弦楽団の「ラッシュアワー」シリーズで演奏された武満徹《群島へ降下する一群》や、ハレ・ユースオーケストラによる石崎ひなの《踊り》の演奏などが含まれます。
日本での指揮デビュー
シールズは今シーズン後半、日本での指揮デビューを迎えます。2025年11月27日には大阪交響楽団を指揮し、ソリストに大谷康子氏を迎えたチャイコフスキー《ヴァイオリン協奏曲》、ショスタコーヴィチ《交響曲第5番》を演奏します。 続く2026年1月9日には、新日本フィルハーモニー交響楽団を指揮し、すみだトリフォニーホールにて、ウェーバー《オベロン》序曲、モーツァルト《ピアノ協奏曲第27番》(ピアノ:反田恭平)、ブラームス《交響曲第4番》を取り上げます。
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